News & Topics 鮫川校の活動

2018年11月の記事一覧

にっこり 秋の離任式

 11月30日(金)、鮫川校では季節はずれの離任式が執り行われました。
 
 この4月より労務員として勤務いただいた方が任期満了に伴いご退職されることとなったため、ご挨拶を頂くとともに、生徒会よりお礼の色紙と花束をお送りしました。

 鮫川校の労務員は、施設の管理や電話対応、文書等の収受のみならず、定期券の購入からお弁当の注文、傘の貸し出しや体調不良時の生徒のケアまで対応いただく、まさに縁の下の力持ちのような存在です。忙しい日々の中、今回退職される労務員さんには、いつも笑顔で接していただくとともに、細かなところまで気を遣っていただきました。生徒にとってはもちろん、我々教員や保護者の方々にとっても大きな支えでした。

 今後は鮫川校の職員ではなくなりますが、これからも鮫川校の活動を見守っていただければと思います。短い期間ではありましたが、本当にありがとうございました。 

  

  

にっこり 恒例のマラソン大会を開催しました

 11月22日(金)、鮫川校では秋の恒例行事である校内マラソン大会が開催されました。
 鮫川校のマラソン大会は、男子が8㎞、女子が4㎞の距離で行われます。出発前、走ることに自信がある生徒は「入賞狙います!」と息巻き、運動が苦手な生徒は「先生もうだめです…」とため息をついていました。  

  

 出発。意気揚々と走り出していきます。

 

 女子は昨年、一昨年の覇者である3年生が、他の追随を許さない走りで、見事3連覇の偉業を成し遂げました。男子は1、2フィニッシュを狙っていた2年生2名が、有言実行で目標を達成しました。 先にゴールした生徒の中には、これから学校に戻ってくる生徒のことを大声で応援したり、再びコースに戻って、学校への上り坂を並走したりする者もいました。

   

 ゴール。最後は毎日登校している坂を一気に駆け上がります。

 

  閉会式では入賞者(男女各10位以内)にメダルや賞状、景品が授与されました。当然ながら、彼らの表情は、いつになく誇らしげでした。  

  

 

 行事の開催にあたり、棚倉警察署の方々、生徒の安全にご協力いただきました地域の皆様やドライバーの皆様方に大変お世話になりました。この場をお借りして御礼申し上げます。

 

にっこり 森林や林業のことについて学びました

 11月21日(水)、この日は第一学年の生徒にとって、森林や林業について集中的に学ぶ一日となりました。

 午前中は「福島県の林業再生に向けた出前講座」と題して、県南農林事務所の皆様のご協力のもと、専門家の皆様方から県内の森林の状況について教えていただきました。

 この事業は、「避難指示解除区域等の林業再生に向けた普及啓発事業」の一環として林野庁が行っているもので、今回は福島県の山林における土壌の放射性物質の性質や研究の最前線について、国立研究開発法人森林研究・整備機構の篠宮佳樹様から教えていただくとともに、地域おこし協力隊員として伊達市で林業を通じた地域づくりを実践されている玉出孝行様から「山を守る」ことの大切さについて教えていただきました。

 お二方からのお話の後には、玉出様によるチェーンソーを用いた「カービング」の実演がありました。ものの5分で大人の胴体ほどの丸太から立派なイスが削り出されていく姿に、生徒たちは「すごい!」「削りくずがたくさん!」「木のにおいがする!」などさまざまな声を漏らしていました。
 
 森林に関する研究や地域づくりなどにひたむきに取り組む講師の皆様方の姿に、多くの生徒が感動を覚えたようです。普段何気なく眺めている山林や緑の山々について、さまざまな見方や考え方があること、さまざまな立場の方々が関わっていることについて、今日は改めて考えることができました。 

     

 (左から。一枚目、篠宮様が放射線の測定を実演してくださいました。二、三枚目、玉出様によるカービングの実演。四枚目、県南農林事務所や林野庁の方も加わった質疑応答。活発なやりとりが行われました。)

 

 午後には学校から近隣の里山に場所を移し、「森林学習」と題して「大豆の先生」こと地元の農業、鈴木寛重様から、森と人とのかかわりについて教えていただきました。鈴木様からは、森は適度に人の手が入ることでより良い状態になっていくこと、山の木々が雨水をため込むことで洪水や土砂崩れを防ぐことができていること等について教えていただきました。里山を散策しながら、生徒たちは「ドングリ見つけました!」、「これはケヤキとスギの葉、どっちですか?」などと鈴木様に報告したり、質問したりしていました。  

    

 (左から。一、二枚目、鈴木様の説明を受けています。三枚目、ドングリ捜索中。四枚目、鮫川村中心部を眺める生徒。)

 本日はさまざまな角度から、森林等環境保全の大切さ、人とのかかわりの大切さについて学ぶことができました。お世話になった皆様方に、改めて御礼申し上げます。

認知症サポーター養成講座を開催しました

 11月21日(水)の5・6校時、鮫川村地域包括支援センターから認知症キャラバン・メイトの方々4名を講師に迎え、3年生を対象とした「認知症サポーター養成講座」を開催しました。

  講座の前半では、認知症とはどういう病気なのか、認知症を患っている方にはどのように接するとよいのかなどについて勉強するとともに、76歳の認知症キャラバン・メイトの方から、高齢になったことで大変になってきたことについて改めて教えていただきました。

 その後、自分が4日前に何をしていたのか、夕飯は何だったのかを思い出す認知症防止のための記憶想起トレーニングも体験しました。なかには「夕飯を誰と食べたかは覚えているけど、何を食べたかは思い出せない」という生徒もいました。

 後半では、視界が悪くなるゴーグルや重りの入ったベストなどを身に着けて、高齢者の方の動きにくさ、物の見えにくさなどを疑似体験しました。

 講座に参加した生徒からは、「認知症に対する意識が変わりました」「介護職に就くので今日の話を思い出しながら頑張ろうと思います」などの声が寄せられました。

 講座修了後には、参加したすべての生徒に、認知症サポーターの証であるオレンジリングが配られました。 

 お忙しい中、講話をいただきました認知症キャラバン・メイトの講師の方々に、この場をお借りして御礼申し上げます。 

 

にっこり 仕事、お金、そして将来のことについて学習しました

  11月14日(水)、ハローワーク白河の学卒ジョブサポーター、大越浩文様を講師に迎え、1・2年生を対象とした「キャリア探索プログラム」が実施されました。大越様は生徒たちにたくさんの問いを投げかけながら、また、生徒たちとの言葉のキャッチボールを大切にしながら、生徒たちの進路に対する関心を喚起してくださいました。

 やりとりの一例
 「仕事をする上で大事なことの一つは、コミュニケーションです。そのためには、相手に対してちゃんと反応することが大切ですよ。分かりますか」
 「はい」
 「1年生、まだ声が出てないなあ。もう一度やってみよう。分かりますか」
 「はいっ!」

 大越様は、仕事を進める上でコミュニケーションが欠かせないこと、そのためには返事をする、うなずく、あいづちを打つなどの反応が大切であること等について、体験を交えながら教えてくださいました。お話しの後半では、正社員とフリーターとでは生涯賃金に大きな差が生じること、一度離職すると、再就職が困難な場合があることなどについても説明してくださいました。

 また、適切な進路探しができるようになることを目的に、「これまでの自分を振り返る」という課題にも取り組みました。「小学生のころ、何になりたかったんだっけ?」といった大越様の問いかけに応えることを通して、生徒たちは過去の自分から未来の自分を探っていました。  

    

 

 この時期の2年生にとって、進路選択はもう他人事ではありません。1年生にとっても、決して遠い未来の話ではありません。今回学んだことを糧に、それぞれが自らの進路を切り拓いていってほしいと思います。 

 ご多忙の中ご講演いただきました大越様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

晴れ 晩秋の鮫川校

 「小春日和を画で表すと、こんな感じ」

という晩秋の一日です。

 陽の光がまぶしすぎて、ほとんどの教室ではカーテンが引かれています。

 あったかすぎて、ひなたぼっこする輩も・・・。

 今朝までは、雪のように枯れ葉が舞っていたのですが、

 シャッターチャンスを逃してしまいました。

 もう間もなく、鮫川校は冬支度です。

会議・研修 高校生支援セミナー

 11月13日(火)、社会保険労務士の塩澤龍造様、福島民報社の渡部育夫様を講師に迎え、3年生を対象とした高校生支援セミナーが開催されました。

 渡部様は、先に行われた福島県知事選挙やアメリカの中間選挙など、関連する新聞記事を用いながら、「若い世代が選挙に行くことの重要性」について丁寧にお話しくださいました。今年18歳となり、初めて選挙権を持った3年生は、渡部様のお話に熱心に耳を傾けていました。

 塩澤様からは、「知っておきたい仕事の知識」と題し、採用内定後でも場合によっては内定を取り消される可能性があることや、労働契約の成立に伴う権利・義務の発生、契約に違反した場合どうなるかなど、今後社会に出る上で知っておかなければならないことについて、詳しくお話しいただきました。その後の質疑応答では、何人もの生徒から有給休暇の取得等労働条件に関する質問が多数寄せられました。来春から新社会人となる3年生にとって、今回のセミナーは大変有意義な時間となりました。

 お忙しい中、ご講演いただきました塩澤様、渡部様にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。 

   

にっこり 大豆の脱粒(だつりゅう)を行いました

 11月13日(火)、1年生は大豆の脱粒作業を行いました。

 今回も、鮫川村在住の鈴木寛重様にご指導いただきながら、伝統的な農具を用いた手作業による脱粒を体験しました。鈴木様に加え、本日は鮫川村地域おこし協力隊の永沼ちひろさんにもご協力いただきながら作業を進めました。

 10月25日(木)の刈取り以降、鮫川校の駐輪場につるされ、天日干しにされた大豆たちは、その状態もよく、すでにいくつか粒が落ち始めている状況でした(下写真10月25日)。 

  

 

 生徒たちは、竹竿からはずされた大豆をブルーシートの上に持ち込み、木の棒で茎ごと叩いていきます。その衝撃で大豆が「さや」からはじけ出ます。はじけ出た大豆をみんなで拾い集めます。叩くたびにおもしろいように大豆が「さや」から飛び出るので、生徒たちの歓声が止みません(下写真)。

  

 

 はじけ出た大豆たちは、一度カゴに集められます。しかしこの状態では、まだ土や枯れ葉などの異物が混じっています。そこで登場するのが、鈴木様所有の「唐箕(とうみ)」です。この「唐箕(とうみ)」は、江戸時代後期の農機具として歴史の教科書にも紹介される道具です(下写真)。大豆を入れ、ハンドルを回すと風の力で大豆とそうでないものがうまく分けられていきます。生徒たちは「もっとゆっくり回すといいよ」とか「もう一回、回してみよう」といった声をかけ合いながら、選別作業を進めていきました。

   

 大いに盛り上がった脱粒作業の後は、乾燥、選別を経て、いよいよ加工作業へと進んでいきます。小欄でもその様子をお知らせしたいと思います。

 春からさまざまな形でご指導、ご支援いただいた鈴木様ですが、大豆の栽培について教えていただくのは今日が最後となります。収穫した大豆の加工や、これまで学習してきたことのまとめを通して、少しでも鈴木様にご恩返しができれば、と考えています。半年以上にわたりご指導いただきました鈴木様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

 

にっこり あの戦場カメラマンが鮫川校にいらっしゃいました

 地域の皆様を始め、関係各方面の皆様方のご支援、ご尽力のお陰をもちまして、鮫川校は今年、創立70周年を迎えることができました。これを記念して、11月9日(金)に戦場カメラマンの渡部陽一さんを講師にお迎えした記念行事を開催しました。

 渡部さんの講演に先立ち、鮫川村副村長の白坂利幸様、同窓会長の鷺野谷弘行様からお祝いの言葉を頂きました。それらの言葉を受けて、生徒会長の佐藤心治君は「伝統を引き継ぎつつ、自分たちの未来を新たに切り拓いていきます」と決意を表明していました。

 講演は、テレビでおなじみの、あのゆっくりとした、とても聞き取りやすい話し方で進められました。渡部さんは講演の中で、「なぜ自分は戦場カメラマンになったのか」「戦争が起こってしまうのはなぜなのか」について、写真や映像を用いながら、身振り手振りを交えて、熱く語ってくださいました。質疑応答の中では、「戦場での危機管理はどのように行われるべきか」について、自らの体験にもとづいて話してくださいました。

 一時間にわたる講演の最後に、渡部さんは生徒たちに対して、「どんどん外国に飛び出して、世界中の声を自分で聞いてほしい。それが今後の勉強や仕事、スポーツ等の支えになる。安全第一で世界に飛び出して欲しい」と語りかけてくださいました。この言葉は、この国の未来を担う生徒たちにとって、大きな指針となりました。

  

 

生徒たちも、お客様の受付などを担当しました。「うまくできるか不安です」と漏らしていた生徒も、徐々に立派な対応ができるようになっていきました。

   

表情豊かに、身振り手振りを交えて熱く語る渡部陽一さんの姿に、皆聴き入りました。

お礼の言葉をお伝えするとともに、花束を贈呈しました。

 

行事終了後にまさかの展開!渡部さんのご厚意により、全校生徒と一緒に記念撮影が行われました。破顔一笑の一枚。渡部さん、ありがとうございました。

 

 本日の行事は、「鮫川校振興会」並びに「鮫川校同窓会」のご支援の元、開催することができました。「鮫川校振興会」は、地元鮫川村が鮫川校の教育活動を支援するために設置してくださっている後援団体です。今回の行事は、鮫川村の皆様のご支援がなければ実現しませんでした。講師の渡部陽一さんはもとより、ご臨席くださいました皆様、鮫川村の皆様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

会議・研修 自殺防止講話を開催しました

 11月7日(水)の5、6校時、福島県精神保健福祉センターの所長でいらっしゃる畑哲信様を講師に迎え、自殺防止講話を開催しました。

 5校時目には、畑先生から「人生のリスクに備える」と題して、肉体的、精神的なストレスと「うつ」についてお話しいただくとともに、自殺者の推移や性差、性差が生じる背景、国別の自殺者数、若者の死亡理由に占める自殺の割合、自殺の理由(心の病気を含む)、自殺に至る心理等についてご説明いただきました。

 その中で畑先生は、「社会の中で互いに助け合うこと」が重要であること、「相談すること」によって得られるものが多いこと、普段から「相談にのること」はやっていること等について強調していらっしゃいました。

 また、「相談にのる」際のポイントについて具体例を交えてお話しいただいた際には、生徒から共感の声が笑顔とともに漏れていました。

 併せて相談されやすい「相談モード(好ましい聞き方、好ましくない聞き方)」についても、姿勢、態度、あいづちの視点から具体的に教えていただきました。

 講義の後半では、相談を受けた際のポイントとして、「答えを出すことが正解とは限らない」こと、「解決だけが目的ではない」こと、「自分一人で抱え込まず適切な支援者につなぐことが大切である」ことについても教えていただきました。「どうしたの?」と声をかけるだけでも十分であること、気持ちを受け止めるだけで十分であることについて学んだ生徒たちからは、心なしか胸をなで下ろした空気が漂ってきました。

 講義の最後に畑先生は、

 「相談にのる」ことは「他者を尊重する」ことになる。

 「他者を尊重する」ことは「自分を尊重する」ことにつながる。

とお話し下さいました。

 生徒たちには、この言葉をずっと覚えていて欲しい、と思います。

 

 6校時目には、臨床心理士の方々から、「好ましい聞き方」について体験を交えて教えていただきました。生徒たちは、はにかみながらも、懸命に「好ましい聞き方」について、練習をしていました。

 

 お忙しい中、遠路鮫川までお越し下さいました畑所長様をはじめとする県精神保健福祉センターの職員の皆様、演習を進行していただきました臨床心理士の皆様方に、この場をお借りして御礼申し上げます。