News & Topics 鮫川校の活動

2018年11月の記事一覧

晴れ 晩秋の鮫川校

 「小春日和を画で表すと、こんな感じ」

という晩秋の一日です。

 陽の光がまぶしすぎて、ほとんどの教室ではカーテンが引かれています。

 あったかすぎて、ひなたぼっこする輩も・・・。

 今朝までは、雪のように枯れ葉が舞っていたのですが、

 シャッターチャンスを逃してしまいました。

 もう間もなく、鮫川校は冬支度です。

会議・研修 高校生支援セミナー

 11月13日(火)、社会保険労務士の塩澤龍造様、福島民報社の渡部育夫様を講師に迎え、3年生を対象とした高校生支援セミナーが開催されました。

 渡部様は、先に行われた福島県知事選挙やアメリカの中間選挙など、関連する新聞記事を用いながら、「若い世代が選挙に行くことの重要性」について丁寧にお話しくださいました。今年18歳となり、初めて選挙権を持った3年生は、渡部様のお話に熱心に耳を傾けていました。

 塩澤様からは、「知っておきたい仕事の知識」と題し、採用内定後でも場合によっては内定を取り消される可能性があることや、労働契約の成立に伴う権利・義務の発生、契約に違反した場合どうなるかなど、今後社会に出る上で知っておかなければならないことについて、詳しくお話しいただきました。その後の質疑応答では、何人もの生徒から有給休暇の取得等労働条件に関する質問が多数寄せられました。来春から新社会人となる3年生にとって、今回のセミナーは大変有意義な時間となりました。

 お忙しい中、ご講演いただきました塩澤様、渡部様にこの場をお借りして厚く御礼申し上げます。 

   

にっこり 大豆の脱粒(だつりゅう)を行いました

 11月13日(火)、1年生は大豆の脱粒作業を行いました。

 今回も、鮫川村在住の鈴木寛重様にご指導いただきながら、伝統的な農具を用いた手作業による脱粒を体験しました。鈴木様に加え、本日は鮫川村地域おこし協力隊の永沼ちひろさんにもご協力いただきながら作業を進めました。

 10月25日(木)の刈取り以降、鮫川校の駐輪場につるされ、天日干しにされた大豆たちは、その状態もよく、すでにいくつか粒が落ち始めている状況でした(下写真10月25日)。 

  

 

 生徒たちは、竹竿からはずされた大豆をブルーシートの上に持ち込み、木の棒で茎ごと叩いていきます。その衝撃で大豆が「さや」からはじけ出ます。はじけ出た大豆をみんなで拾い集めます。叩くたびにおもしろいように大豆が「さや」から飛び出るので、生徒たちの歓声が止みません(下写真)。

  

 

 はじけ出た大豆たちは、一度カゴに集められます。しかしこの状態では、まだ土や枯れ葉などの異物が混じっています。そこで登場するのが、鈴木様所有の「唐箕(とうみ)」です。この「唐箕(とうみ)」は、江戸時代後期の農機具として歴史の教科書にも紹介される道具です(下写真)。大豆を入れ、ハンドルを回すと風の力で大豆とそうでないものがうまく分けられていきます。生徒たちは「もっとゆっくり回すといいよ」とか「もう一回、回してみよう」といった声をかけ合いながら、選別作業を進めていきました。

   

 大いに盛り上がった脱粒作業の後は、乾燥、選別を経て、いよいよ加工作業へと進んでいきます。小欄でもその様子をお知らせしたいと思います。

 春からさまざまな形でご指導、ご支援いただいた鈴木様ですが、大豆の栽培について教えていただくのは今日が最後となります。収穫した大豆の加工や、これまで学習してきたことのまとめを通して、少しでも鈴木様にご恩返しができれば、と考えています。半年以上にわたりご指導いただきました鈴木様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

 

にっこり あの戦場カメラマンが鮫川校にいらっしゃいました

 地域の皆様を始め、関係各方面の皆様方のご支援、ご尽力のお陰をもちまして、鮫川校は今年、創立70周年を迎えることができました。これを記念して、11月9日(金)に戦場カメラマンの渡部陽一さんを講師にお迎えした記念行事を開催しました。

 渡部さんの講演に先立ち、鮫川村副村長の白坂利幸様、同窓会長の鷺野谷弘行様からお祝いの言葉を頂きました。それらの言葉を受けて、生徒会長の佐藤心治君は「伝統を引き継ぎつつ、自分たちの未来を新たに切り拓いていきます」と決意を表明していました。

 講演は、テレビでおなじみの、あのゆっくりとした、とても聞き取りやすい話し方で進められました。渡部さんは講演の中で、「なぜ自分は戦場カメラマンになったのか」「戦争が起こってしまうのはなぜなのか」について、写真や映像を用いながら、身振り手振りを交えて、熱く語ってくださいました。質疑応答の中では、「戦場での危機管理はどのように行われるべきか」について、自らの体験にもとづいて話してくださいました。

 一時間にわたる講演の最後に、渡部さんは生徒たちに対して、「どんどん外国に飛び出して、世界中の声を自分で聞いてほしい。それが今後の勉強や仕事、スポーツ等の支えになる。安全第一で世界に飛び出して欲しい」と語りかけてくださいました。この言葉は、この国の未来を担う生徒たちにとって、大きな指針となりました。

  

 

生徒たちも、お客様の受付などを担当しました。「うまくできるか不安です」と漏らしていた生徒も、徐々に立派な対応ができるようになっていきました。

   

表情豊かに、身振り手振りを交えて熱く語る渡部陽一さんの姿に、皆聴き入りました。

お礼の言葉をお伝えするとともに、花束を贈呈しました。

 

行事終了後にまさかの展開!渡部さんのご厚意により、全校生徒と一緒に記念撮影が行われました。破顔一笑の一枚。渡部さん、ありがとうございました。

 

 本日の行事は、「鮫川校振興会」並びに「鮫川校同窓会」のご支援の元、開催することができました。「鮫川校振興会」は、地元鮫川村が鮫川校の教育活動を支援するために設置してくださっている後援団体です。今回の行事は、鮫川村の皆様のご支援がなければ実現しませんでした。講師の渡部陽一さんはもとより、ご臨席くださいました皆様、鮫川村の皆様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

会議・研修 自殺防止講話を開催しました

 11月7日(水)の5、6校時、福島県精神保健福祉センターの所長でいらっしゃる畑哲信様を講師に迎え、自殺防止講話を開催しました。

 5校時目には、畑先生から「人生のリスクに備える」と題して、肉体的、精神的なストレスと「うつ」についてお話しいただくとともに、自殺者の推移や性差、性差が生じる背景、国別の自殺者数、若者の死亡理由に占める自殺の割合、自殺の理由(心の病気を含む)、自殺に至る心理等についてご説明いただきました。

 その中で畑先生は、「社会の中で互いに助け合うこと」が重要であること、「相談すること」によって得られるものが多いこと、普段から「相談にのること」はやっていること等について強調していらっしゃいました。

 また、「相談にのる」際のポイントについて具体例を交えてお話しいただいた際には、生徒から共感の声が笑顔とともに漏れていました。

 併せて相談されやすい「相談モード(好ましい聞き方、好ましくない聞き方)」についても、姿勢、態度、あいづちの視点から具体的に教えていただきました。

 講義の後半では、相談を受けた際のポイントとして、「答えを出すことが正解とは限らない」こと、「解決だけが目的ではない」こと、「自分一人で抱え込まず適切な支援者につなぐことが大切である」ことについても教えていただきました。「どうしたの?」と声をかけるだけでも十分であること、気持ちを受け止めるだけで十分であることについて学んだ生徒たちからは、心なしか胸をなで下ろした空気が漂ってきました。

 講義の最後に畑先生は、

 「相談にのる」ことは「他者を尊重する」ことになる。

 「他者を尊重する」ことは「自分を尊重する」ことにつながる。

とお話し下さいました。

 生徒たちには、この言葉をずっと覚えていて欲しい、と思います。

 

 6校時目には、臨床心理士の方々から、「好ましい聞き方」について体験を交えて教えていただきました。生徒たちは、はにかみながらも、懸命に「好ましい聞き方」について、練習をしていました。

 

 お忙しい中、遠路鮫川までお越し下さいました畑所長様をはじめとする県精神保健福祉センターの職員の皆様、演習を進行していただきました臨床心理士の皆様方に、この場をお借りして御礼申し上げます。